前回の記事で、ダイレクト・レスポンス・マーケティングについて、「見込客との間にダイレクトな関係を築き、商品やサービスを継続的に購入してもらうこと」と定義した。
今回は、この定義を細分化し、3つのアドバンテージという視点に置きかえて、説明していきたい。
まず、1つ目のアドバンテージとは、「見込客について知る」ということ。
あなたが見込客と決めた理想の顧客イメージと他の誰かを明確に区別し、見込客に固有の特性を知ることで、その見込客に対して適切なアピールが可能になる。
以前私がコンサルティングをしていた整体治療院の例に説明すると、その整体院は県庁所在地のビジネス街の近くに位置しており、メインとなる顧客層は30~40代の仕事をしている男女だった。
なので、この顧客層をターゲットと想定するなら、長時間のデスクワークから発生する「首・肩・腰の痛みを解消する」や「体の歪みを調整して首・肩・腰の痛みを解消」というアピールの仕方が可能になる。
また、この年齢層であれば、スマホやPCサイト経由での集客がメインとなるので、スマホやPCサイトといったメディア(媒体)を絞って、見込客にアピールすることが可能になる。
2つ目は、見込客の特性などの知識をもとに、「見込客が興味を持ちそうなタイミングで、興味を持ちそうな商品・サービスを勧めることによって、継続的な関係性を築く」というということである。
上記の治療院の例で、顧客の痛みを解消するために、定期的な来院が必要となれば、お得な回数券を勧めたり、一回当たりの施術時間を長くしたサービスの提案、自宅でできるストレッチのDVDを勧めることができるだろう。
一般的に、新規顧客を獲得するコストは、既存客を維持するコストの約5倍と言われている。
ほとんどのビジネスにおいて、最もコストがかかるのは顧客獲得であることから、長期的・継続的な関係性の構築は、あなたのビジネスにおける生命線と言えるのだ。
3つ目のアドバンテージは、「測定可能」ということだ。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングを活用すれば、特定のメディア(媒体)に特定の期間掲載した特定のメッセージに対して、誰がどのように反応したかを測定することができる。
例えば、スマホやPCサイトで期間限定クーポンを配布し、プリントアウトして持ってきてもらえば、上記の測定が可能である。
DMチラシ・ハガキを持参してもらう方法でも同じように測定可能である。
では、有名ファッションブランドのCM・広告はどうだろうか?
私の考えでは、CMでも、ファッション誌の広告でも、ダイレクト・レスポンスという視点は見当たらない。
CMや広告を出した結果が売上にどの程度結びついているのかを詳細に測定することは不可能だろう。
あなたのビジネスにダイレクト・レスポンス・マーケティングを活用すれば、何が効果があり、何が効果がないのかを知るだけではなく、その結果を踏まえて更にテストを行い、継続的に活動を改善できる。
そうすれば、ピーター・ドラッカーが提唱したマーケティングの目的のかなり近いところまで到達することができるはずだ。
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